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「ゼロエミッション」への挑戦
 
「ゼロエミッション」への挑戦

~生ゴミを活用した有機農業への取組み~


浅見 強(あさみ つよし)
株式会社 シーラックコーポレーション
代表取締役 昭和16年生・学習院大学卒
秩父セメント入社後、グループ内でベンチャー起業後独立。
国連支援交流協会 法人会員
国連支援交流協会 評議員
当組合員

私は、秩父セメントグループに長くお世話になり、リサイクルという言葉が一般的になる前から、資源循環にかかわりが深いということがいえましょう。
秩父セメントグループに長くお世話になる一方で、国内中をセメントで塗り固めてしまうことで果たしていいのだろうか?という素朴な疑問と、地球再生事業としては農業に希望が持てるのではないかと考え、秩父セメントグループの支援を受けて昭和61年独立しました。

~生ゴミを活用した有機農業への取組み~とタイトルがありますが、生易しい物ではありません。この事業を進めるためには、2つの問題があります。それはデータと実績ということです。いくら理屈が正しくとも、理路整然としたものであっても、この2つがないと農家には聞いていただけません。
また、2つをそろえるためには、厖大な時間と資金が必要です。私はいやというくらい、2つの物をそろえるために、時間と資金を投入せざるを得ませんでした。農家に生成物を使っていただけるようになるためには、ネクタイなんかしていては相手にされません。
作業着に長靴スタイルで、いつでも一緒に働けますという構えも重要です。
「生ゴミを有機肥料にする農法」は、新しい物でも、特別なものでもありません。この事業をはじめるに当たって、最終的に30年以上の実績をもっていらっしゃった内城本美氏の農法を導入させていただきました。中心的役割の内城土壌菌は、日本国内にもともと存在するバチルス群の土壌菌の複合菌ですが46種類までは同定できています。農家さんは、非常に保守的です。それは当たり前のことで、先祖代々の土地を守ろうというお気持ちが強いことと、もし土壌の汚染や障害が起きると、収入減や無収入という危機的な状況に陥るからにほかありません。生ゴミから作った生成物をお勧めする場合も、2,3年くらいかけて、気長に試してくださいと御願いするしかありません。

しかし、一端信用してもらうと、生成物の使用量は一気に増えます。また、使用する農家さんの周辺の方まで目に見えた形で収量が増えたり、品質が向上すれば、需要が一段とふえます。簡単には申しましたが、認めていただくまでの間にバブルがはじけたり、親会社の支援が無くなったり営業活動に支障が出るところまで追い込まれました。
それでも本日があるのは、「データと実績」作りを意識してきたことの成果だとおもっております。

■内城土壌菌はなぜ、受け入れられたのか?

内城土壌菌は北海道から沖縄まで気候や土質にあまり影響を受けずに効果を発揮しました。好気性の高温菌が病原菌を死滅させ、中塾状態の生成物とバチルス群生菌の混合物であることが短期間で成果を挙げた理由だとおもっております。
これらの事は、各研究機関や大学にデータ分析などを長期にご依頼してきて実証されておりますが、このことが、やがて安全安心の付加価値の高い作物作りや連作障害に強い土壌作りにつながったとかんがえています。連作障害は、菌の偏りだけでなく、作物が栄養分として取り上げてしまうものや雨によって自然に流出してしまう栄養分などの補いが出来ないことが原因でもあります。
健康な土は、土中の善玉菌を増やし、冷害や猛暑にも強い作物を生み出します。

■内城土壌菌の発酵メカニズムと効果

人工的につくられた発酵槽の中で水分を蒸発させながら、最初は常温で活動する菌類が活動し始め、高温菌が活動しやすい環境になったときに爆発的に増殖する仕組みであり、特別な装置はありません。むしろココから生まれた生成物の利用ソフトに過去のデータと実績が生かされています。

よく肥料の話をすると、どうしてもコンポスト化の話が出ます。よい土壌というのは、無機化された物を言うのではなくて、作物の栄養分だけではなく、根圏微生物などの栄養分にも富んだ環境を言うのであって、寄生や共生の関係がたくみに作られている物だといえます。窒素、リン、カリに炭素がバランスよく含まれて豊かな土だといえます。

■生成物の派生効果

栄養と微生物に富んだ生成物は、土壌そのものだけでなく回りも豊かにしてくれます。栄養バランスに富んだ土地であれば、経済的にも潤う作物を効率よく収量を増やしてくれますから、遊んでいる土地の活用や帰農希望者の雇用創出関連事業などへと経済効果は波及する事でしょう。
実例については、挙げればきりがありませんので、お問い合わせいただければ資料を差し上げます。御了解ください。

■「健康な土壌」の復元について

現在、土壌汚染された土地であっても、微生物資材の投入によってある程度の地力回復が期待できるのですが、それは微生物のエサとなる有機物を土壌に入れることによって、ある程度の有害物質も分解してもらえることが期待できます。農作物に適した団粒構造や保水性は物理的な自然の力だけでは作れません。微生物自身の仕事や微生物と作物の共生、雨水の仕事や太陽の力、それらの複合力です。有機農業は実に自然の力を最適有効につかう農業だともいえます。

■「堆肥づくりとリサイクル」のために

堆肥と一口に言いますが、生ゴミを堆肥にしたから、引きとり手がいるだろうと想うのは、非常にかってなかんがえ方です。最終的なユーザーである農家は、前出のとおりかなりリスクを負っているのですから。地力が失われ、微生物資材が必要とされる農家が多いのに、流通量が少ないのは品質の悪さにあります。
「雑菌や病原菌の心配がない」「土壌菌の種類がおおく、短期間で増える」「施肥後、2~3ヶ月で好ましい変化が確認できる」などの条件をクリアしなければ、潜在的な市場には応えてゆけません。

■「リサイクルのコスト問題」

リサイクルは、なぜ?これまでうまくゆかなかったかと言いますと、無理やり再生したりして、付加価値をつけることや処理コスト問題に真正面から向かい合わなかったからだともいえます。生ゴミを高コストで焼却処分するという自治体がかなり多いのも事実です。生ゴミを低コストで処理し、リサイクルして微生物資材にするためには、環境的にいえば、安定した微生物資材の供給方法の整備が重要です。施設などの投資については、いわゆるPFI による手法もよい方法だとおもいます。

実際に、設備を民間の力を使って建設し、生ゴミの回収と微生物資材の引き取りや物流を民間に任せて、役所は行政的な立場で最低限のそして必要なかかわりや指導だけを行うということで、とても好ましいパートナーシップも見られるようになりました。リサイクルを高めることは税金を効率的に使うという事でもあります。

■廃棄物の現況

リサイクルの話を進めて参りましたが、すこし現況を数字でご紹介したいとおもいます。食品廃棄物は年間約1,900万トンだといわれています。その90%が焼却処分や埋め立てです。リサイクル率は10%程度です。

家畜の廃棄については、においの問題があり、本来、農業地に隣接する農地があればリサイクルできましょうが、80%どまりです。質の良い微生物は、ある程度のにおいも緩和してくれるものです。下水やし尿汚泥の問題もあります。実にこれらは焼却や埋め立てがほとんどです。上手に処理できれば、有用な資源に変わるはずです。

さて、一番注目しているのは、「せん定枝」「刈り草」の問題です。焼却が禁止されています。上手に活用する事で、植物のもつセルロース質を分解させて質の良い微生物資材をリサイクルする事は実際に可能です。また、稲作農家から確実にでる「稲わら」「もみ穀」にしても、栄養に富み、また生ごみの発酵処理に必要な水分調整剤としても大変有用な有機資材です。
皆様とご一緒にリサイクル率を高める活動を展開し、基本的には、「捨てる物など何もない」~ゼロ・エミッションにつなげたいと想う次第です。